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Q.くらしこの庭 カイガラムシとは?

家づくりQ&A

くらしこの庭木、マツラニッケイに「カイガラムシ」が付いてしまいました。
「カイガラムシとは何か?」また「その影響によって起きた病気」についてお伝えします。


カイガラムシは2mm〜10mmほどの小さい昆虫で、葉や茎にくっつき、茎などから養分を吸汁(きゅうじゅう)することで植物の生育に悪影響を及ぼします。

▲くらしこの家の東側にあるマツラニッケイの枝に、こげ茶色をしたカイガラムシがびっしりくっついてしまっていました。

種類はかなり多くあるようですが、殻が硬く、動かない種のカイガラムシでした。


さらに、カイガラムシが付いたことによって起きた病気もあります。

▲「すす病」です。

すす病とは、上の写真の葉っぱの部分が黒いすすを被ったような症状になっているように、これはカビなどの菌による病気です。

カイガラムシが付いたことによって、その排泄物を養分として菌が発生します。

菌自体が植物に寄生して栄養を吸い取るわけでないので直接植物を枯らせることは無いようですが、増殖すると植物の光合成を阻害し植物を弱らせてしまいます。

そのため、すす病を発見したら黒ずんでいる葉っぱを取ることが大切ですが、最もそのすす病を発生させているカイガラムシを取り除くことが必須です。

▲今回はカイガラムシが多く付いた枝は基本的に剪定し、そのほかはスコップで削ぎ落として取りました。

カイガラムシは風通しが悪く、暗くて狭い場所を好むようです。

マツラニッケイは1年半前、くらしこの家ハナレの造園時に剪定をしていましたが、常緑樹で成長が早く、下からの枝葉が増えていました。

剪定をしない状態がこのような病気をもたらしてしまったことは私たちも大変勉強になったことです。

なお、カイガラムシ専用の駆除スプレーや牛乳をかける対応策もありますが、基本的にはカイガラムシが幼虫の間(まだ殻をつける前)に効き目がある方法で、殻を付けてしまってからは薬は浸透しにくく、手で取り除くことが一番です。

カイガラムシは庭木のみならず、野菜やお花、室内の観葉植物にも発生します。

ほこり被った葉っぱや混み合った葉の中、日当たりの悪い場所にあると発生しやすいので、そのような環境にならないようにご注意ください。

植物にとって良い環境を整えてあげるためには、葉が込み合わないように剪定をすると共にもう一つ大切なことがあります。

▲それは、水やりの時には土だけでなく葉っぱに水をかけてあげる「葉水(はみず)」をしてあげることも良い効果をもたらします。

葉に水を掛けることで葉に付いたほこりや汚れ、ハダニなどを落とすことは病気を防ぐことができます。


今回のマツラニッケイはくらしこの家の畳リビングの近くにあります。

▲塀の奥にある常緑樹のマツラニッケイ。

東の奥に見える道路を気にさせず、窓に映る日常の景色を緑豊かにしてくれています。

お庭の樹木があることによって私たちが日常目にする景色は豊かになり、家の中から四季の変化を感じます。

そこには花を育て、生け、飾る楽しさがあったり、お庭に出て食事をする家の時間があったり。

そんなとっておきの時間があるからこそ、お庭の手入れがいとわなくなっているのはきっとお庭のある暮らしをしていらっしゃるオーナー様も同じことかと思います。

マツラニッケイは、本来4月頃に赤い実を付けてくれますが今年は今回の病気で付けられませんでした。

来年はしっかりと実がつきますように、こまめに様子を見ていきたいと思います。


今回の私たちの実例を参考にしていただきながら、カイガラムシとすす病の予防に心掛けていただけたらと思います。

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