テッポウムシにお気をつけください
先日のこと岐阜市のオーナー様より
「今朝気づいたのですが、玄関前の木が北へ倒れてきており、根元のほうが縦に割れてきています。見にきていただけますか?」
とご連絡が入りました。
伺うと、玄関前に植っていた高木のカエデにはすっかり葉っぱがなく、根本から倒れてきてしまっています。
夏までは元気だったのに急に枯れ始めたとのことです。
カエデの被害状況を見ると「テッポウムシ」が原因だということが分かりました。
■テッポウムシとは?
・幼虫を「テッポウムシ」といい、木を内部から食い荒らし大きな穴をあけて外へ出て行きます。
・成虫を「カミキリムシ」といい、植物の葉や茎を食べる、木に傷を付けて産卵します。
写真は成虫のカミキリムシです
(写真元)
■テッポウムシの被害とは
テッポウムシは木の中にいるため気づかないことが多く、見つけたときには木や枝の中が空洞になってしまうことも。
今回のオーナー様宅でも夏までは元気だったのに急に枯れたということは、木の中でテッポウムシが木の内部を食べ進めていたということです。
そして、テッポウムシは成虫になると1センチくらいの穴を開けて木の外へ出て行きます。
テッポウムシが成虫(カミキリムシ)になってからは被害は少なくなりますが、
カミキリムシを放っておくと特に6月〜7月に産卵し、テッポウムシが次の樹木の被害をもたらす可能性があります。
今回のカエデの木はこのような侵食が進んでいました。
そして大きな穴も発見。
■テッポウムシの被害にあいやすい樹木
弊社でご提案する庭木の中でテッポウムシの被害にあいやすい木は、モミジ・カエデ・エゴ・ドウダンツツジ・シデ・アズキナシ です。例外もありますが、特にこれらの樹木は異変が無いかよく観察していただくと良いかと思います。
■テッポウムシを早期発見・駆除方法
樹木に元気がなくなったら…
□株元におが屑のようなものがないかご確認ください。おが屑のようなものはテッポウムシの糞で、あればテッポウムシが木の中を侵食している最中であることが考えられます。
□おが屑のようなものがある場合は、根本または50センチ以下の場所に小さな2ミリほどの穴が空いていないかご確認ください。穴はテッポウムシの穴ですのでその穴にテッポウムシ専用駆除剤のノズルを入れて駆除します。
殺虫剤は例えばこちら(住友化学園芸)です。
実はくらしこの家にあるアカシデの木も、2015年にテッポウムシの被害にあっていました。
(2015年の写真)
5月というのに右のアカシデの木だけ落葉し、様子がおかしくなっていました。
造園を行っていただいた荻野寿也景観設計の担当者の方がアドバイスを下さり、カミキリムシが原因だということが分かりました。
やはりおが屑や小さな穴があったので殺虫剤で駆除したことを覚えています。
発見と駆除が早かったこともあり、その後に回復し今も元気に育ってくれています。
■カミキリムシの事前対策
木が弱った状態だとカミキリムシの産卵場所として狙われやすくなります。
剪定して風通しを良くしておくことや枯れ枝や雑草を放置せず木に栄養を行き渡りやすくすることを心掛けることでカミキリムシ以外の害虫にも効果を発揮します。
また、雑草などを燃やしてできる「草木灰」や米酢を水で50倍程度に薄めた「酢農薬」も良いそうです。
日頃の観察をしていただき、何か様子が変だと思われた時にはご連絡をお願いいたします。