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菌ちゃん野菜づくり、夏

日々のできごと

土のことを学びはじめて数年、小さい頃には感じられなかった、学ぶ楽しさだったり嬉しさを今とても感じています。


以前より社長ブログでもご紹介していましたが、今年から土・野菜づくりの一貫として学んだことのひとつは、吉田俊道さんが提唱される『菌ちゃん野菜づくり』。

吉田さんは、微生物のことを「菌ちゃん」と親しみを込めて伝え、

『菌ちゃん野菜づくり』というのは、【土の中を菌ちゃんだらけにすることで、菌ちゃんパワーとつながった元気な野菜を育てる】ということ。

菌ちゃんの源(エサ)は、調理クズなどの生ゴミ、または木や竹、雑草などすべて今あるものを利用します。

そして、そのエサは目に見えない細菌や、反対に糸のように目に見える糸状菌の微生物が食べることで、土はフカフカフワフワの団粒構造になる。

『菌ちゃん野菜づくり』というのは、いわば、土作りの技術だと私は思っています。


夏野菜収穫が終わり、今回の<日々のできごとブログ>は、吉田さんの土作りの技術を生かした「菌ちゃん野菜づくり(夏)」を振り返りたいと思います。


4月

菌ちゃん野菜づくりにおいて大切な一つは排水、という学びを得て、

雨が降っても畑に雨水が溜まらないために畝高をかなり上げました。

土だけで約35cm。その上に菌ちゃんのエサになる枯れ草は1㎡あたり5kgが目安ということなので、28kgの枯れ草をあらゆる場所から集め載せました。

その高さ50cm超え!1人で黙々とこの作業を行いましたが、よく頑張ったぞ、と自賛して気持ちを上げるのでした。

今回使用した土は、4年ほど前に作った大きな腐葉土ボックス内で枯れ草が分解された土、

枯れ草はくらしこの家の庭、畑、事務所内の雑草を野ざらしにして乾燥させたものを使用しています。

糸状菌が枯れ草を食べて出す成分、つまり野菜の肥料は雨で流れてしまうため、最後に雨がかからないようにマルチを被せ、糸状菌の発生を暫く待つのでした。

5月

白い糸状菌の発生をいくつか確認して野菜の苗を植えました

6月~9月

糸状菌の効果を野菜の収穫量と美味しさ、虫食いの少なさで実感しました。

受粉がうまくできずに収穫できなかった野菜はありましたけれど、特にトマト、ピーマン、かぼちゃ、モロヘイヤ、ナス、オクラは例年と比べて倍ほど採れたと思います。

驚いたのは去年はオクラの葉に蛾の幼虫が大量発生していましたが、今年はまったくいなかったことです。その他の野菜も虫による被害がありませんでした。

吉田俊道さんの教えによると、

「虫や病原菌は「分解者」と呼ばれる、死んだ命や弱った命を食べて元気な命を作る役割を担っている。だから私達が食べるべき野菜かどうかを正確に教えてくれる鑑定人とも言えます。

農薬をかけるとどれが健康な野菜なのかわからなくなってしまいます。」と言われています。

無農薬野菜=虫食い野菜というイメージは実は間違っていて、無農薬でも菌ちゃん野菜=虫食いの無い野菜だったことを目の当たりにしました。


10月

野菜の収穫はまだできそうでしたけれど、冬野菜の苗を植えたかったので夏野菜終了としました。

4月には畝高は50cmで作り上げていましたが、10月になると上に乗せていた28kg分の枯れ草は1/5ほどの量となってかなり減ったことで低くなっていました。

糸状菌が枯れ草を食べ、土の中に菌糸を伸ばしてくれたことで元気な野菜が育ったということの証かと思います。

身近で畑を行っている方が親しいわけでもないので、これまで畑のことは自ら学びたい内容を探しながら5年ほど無農薬、無肥料の野菜づくりを実践してきました。

ダンボールコンポストや雑草堆肥などにも挑戦しながら土作りのことを少しづつ学んできたのですが、学んだ一つ一つの情報が断片的で土作りと野菜づくりの結びつきが、いまいち、だったと自省します。

そんなところで吉田さんの「菌ちゃん野菜づくり」という名の土作りの技術というのは、分かりやすく実践しやすいものでした。

土作りからの野菜づくり、そして健康的な人間づくりまで、食育という視点の様々な思考性は一貫性があり共感しています。

いまは「除菌・殺菌」という考え方がどの場面でも目立ちますが、人間も自然界の中であまたの生物と共に生きていて、菌と共に生かされているということも、今回の畑から学びます。

不要なものを排除するという考えではなく、なぜ存在しているのか、役割は何なのか、そんなことを考える良いきっかけにもなっています。

次は冬野菜。

まだ土づくりの技術、やり方を学んでいるだけで、土中環境の本質的なところで言うと幕開け。

夏の成功と失敗の体験を活かし、さらに学びながら冬野菜も取り組みたいと思っています。

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