「できるよ!」に込められる力
私は小学校の頃に見たお芝居の内容がずっと忘れられません。
自分の容姿に思い悩む女の子がさまざまな人に出会っていくうち、心を磨くことが大切だと気がつき、するとだんだん容姿も変わっていく・・・
という内容でしたが、生身の人間がすぐそばで熱く演じる姿に心打たれ、それ以来演劇というのがすごく好きになりました。
そしてそのお芝居のおかげで、人に優しく接する意味というのを、小さいながらに理解し私なりの哲学をもちました。
それで何を勘違いしたのか高校では演劇部に入るという選択をし、、、案の定、演劇をする側には全然向いていなくて途中で退部。
演じることはできずとも見ることで、お芝居から人生においての教訓のような喚起力を受け取っていきたいと思っていました。
だからなるべく子どもたちにも一生懸命に演じて伝える人の姿を生で見せてあげたいと思っています。
そんな気持ちを忘れかけていたころ、長女があるお芝居を見たい!とリクエストしました。
小学校で見たお芝居(ユエと瑠璃色の石 劇団風の子中部さん)がとても良くて、もう1度別の場所でやるから家族で見に行きたい!という希望。
内容は、コロナ渦でさまざまなことが縮小されている中、特に子供の自由や挑戦する機会が奪われているのではないか、ということを伝えるものです。
大事に、過保護に育てられた主人公は、あるきっかけで外の世界に出たとき、自信のない主人公(ユエ)に対して友人が「ユエならできるよ!」と励ますシーンがあります。
長女はその言葉が1番印象深かったようで、最後のアンケートで自分の気持ちを綴っていました。
私は娘の感想文を通して、娘がなぜもう1度このお芝居を見たいのかを知ることができました。
長女にとって、自分のこと、自分の力を信じてくれている人の言葉は今もこれからも長女の原動力であって、自分にもっと自信を持ちたいという気持ちの現れ、なのだと確信しました。
他者と比較して優劣を検証したり、できなかったりする自分を嫌になっていくのは成長の証だと思います。
でも言い換えると、それはきっと、もっと自分はできる!と思っているのだと思います。
子どもたちのこれからにも劇的な階段があるわけですが、ついつい一段一段目の前で起きていることだけに口出ししがちな私は今回のお芝居と長女の感想文で見直すべきだよな、と反省しました。
スポーツ選手の素晴らしい成果も、たった1つの商品にも、その魅力が発揮されるまでに何回も何百時間も、苦労とアイデアと継続的な努力が打ち注がれてきたように。
劇団風の子中部の皆さん、ありがとうございました!
長女は周りからの信頼や信じてくれる言葉を糧に、これからも長い時間軸で自信をつけ成長を遂げていくことと思います。