酷と美、表と裏
感情には暗いと明るいがある。ものごとには表と裏がある。
人やものごとを最初から批判気味に見ることは性に合いませんが、表と裏、まがった世界と美しい世界があるということは大人ながらに分かりつつあって、
だからといって正か悪かなどと極端な判断をするのが良いのではないと思っていますが、全体を見ることが大切だと思うようにしています。
親になってまだ8年ですが、子どもたちのおかげで自分の軸や核をもちながらも、
そうした両面を見渡すことだったり、真実や本質を見つめることが親の役割なのではないか、と思うことがあります。
例えば、子育てを通して出会ったグリム童話。
白雪姫や赤ずきん、ヘンゼルとグレーテル、シンデレラなどは代表的ですが、この物語にはまさに、残酷さと美しさの両方が存在し、世界で多く語り継がれています。
物語が世界を渡り歩くうちに各国の風習や価値観、宗教の関係で原本から内容が書き換えられたものが多いようですが、司書の方のアドバイスを受け、あえて話が美化されすぎず、残酷さが残ったものをセレクトするようにしています。
それでも現在のグリム童話は、焼かれる、殺される、切り落とすなどといった酷な世界が描かれたあと、最後は美しい世界で終わる、という法則の物語になっていて、
過酷な現実を乗り越えたいという人の気持ちの現れを表現しハッピーエンドが多くなっているようです。
絵本が学びのためだけではないことは感じていますが、グリム童話を読むと勇気が湧いてくるといいますか、
暗い世界があるからこそ周りの人、植物、運や魔法、自力で明るい世界へと移り変わるシーンには希望がもてます。
先日徒然舎さんでグリム童話集を見つけて、思わず娘の誕生日プレゼントとして購入してしまいました。
ページが活字に占領されているので、読み聞かせてあげると目より耳で聴いて理解しようとするから想像力がより広がっていくと言われていますけれど、
2年生の長女なら少しずつ自分で読めるようになることも願って。。。
読めるかどうかは分かりませんが、こんな想いを含めてこの本が家の本棚にあるということを娘が知ってくれる日がきたら幸せだ、と思うようにしています。