お味噌仕込みから得るもの
今年もオーナーさまとのお味噌作りが無事に終了しました!
今年からは平日も開催させていただきましたが、その場は年齢的に大先輩の方々も集まって下さいました。
大人同士で話が尽きず、ひたすらおしゃべりしながら仕込む時間が楽しかったですね。
今年は身内での味噌仕込み量を含めると総量102kgの味噌出来高でした。
はそり釜で大豆を炊いている時間も含めて、私にとって冬の好きな時間ですが、量が多いので終わると気が楽になって気持ち的には冬が過ぎたような気分です。
大学の頃は、洋食バイキングが好きでよく行ってました。
味はともかく、あれもこれも、とにかくいろんな種類を食べたい年頃だったと思います。
それが今となっては食の冒険がほぼ無くなってきて、毎年好きな味だけを食べていたい、好きな料理は原料や料理法を変えて追求していきたいと思うのは、これもまた年頃なのでしょうか。
お味噌も、米、豆、麦という麹の種類によって味も色も全く異なり、米麹の中でも玄米か白米によって味の鋭さと深みが変わります。
毎年作る大好きな干し柿も、鉢屋柿と筆柿の品種では熟成度と甘みがかなり違いました。
梅干しも同様に、大粒か小粒かだけでも塩加減が違います。
自己満足の小さな変化なのですが、自分の好みを探していく旅が面白い。
お味噌も料理も、畑の野菜作りにも言えるのですが、家族や周りの人を想って作り続けていると、結局作る側が1番ワクワクしている感じがします。
井上家では主人井上哲志の時間が許す日は家族の夕食は主人が作ってくれているのですが、そんな時はハイボール片手に2時間以上ははキッチンに立って料理をしてくれています。夕食が出来上がるまでに相当時間が掛かるので、家族で「味見〜」といいながらつまみ食い。
出汁をとったり調味料から作り上げている姿をみると、料理をしている主人がとても楽しそうなのです。
ビジネスではもちろんですが、そうでない私生活のところでも、誰かのために動くことは結局自分が1番生きるエネルギーみたいなものをいただいているのですよね。
私にとって毎年のお味噌づくりは、誰かのために、というエネルギーをいただく時間でもあり、
いずれは地域の方も巻き込んでもっと多くの方に喜んでいただいて年を重ねていきたいと思っています。
今年もそんな時間を、ありがとうございました!
Inoueakiyo